移動都市 モータルエンジン
今日の深夜に読み終えた本の感想を書きたいと思います。
あらすじ
遥か未来のイギリスの首都、ロンドン。
文明は滅び大規模な地殻変動により一か所に定住して暮らすことができなくなり人類は都市に車輪をつけて都市ごと移動しながら資源を求め狩りをしなければならなくなった。
都市淘汰主義のもと他を食らうことを容認した都市とそれに反撥する勢力である反移動都市同盟に別れ争っていた。
移動都市、ロンドンに住むトムは史学ギルドの下っ端として雑用に明け暮れる日々を過ごしながら英雄と呼ばれる男、ヴァレンタインに憧れていた。
ある日トムは憧れの彼と一緒に作業する機会を得てロンドンの動力設備となる最下層に向かうことになった。
しかしそこに突如現れた顔に大きな傷を負った少女、ヘスターが現れトムの憧れの人物、ヴァレンタインに襲い掛かった。
トムは何とか彼を守ることができたがヘスターと一緒に外に転げ落ちてしまった。
なぜ彼女はヴァレンタインに襲い掛かったのか?
トムとヘスターの冒険がここから始まります。
文明が滅び資源も枯渇した世界を生き延びるには奪い合いながら旅をするしかない。しかしそれは人が、ではなく都市まるごと移動して旅をするというスケールの大きい内容が斬新で面白かったです。
その惹かれる世界観もさることながらどの登場人物も目的をもっていてこんな過酷な世界でも自分なりの生きる指標を持って生きていていわゆるモブキャラ、を見つけることが難しく誰もが主役になりえる人間性をもった人物が多かったです。
そんな人たちがどうして生き延びるため、という同じ目的を持っているのにこうも対立し争わなければならなかったのか。いろんな人物の視点からみて誰がどうしてこんな行動を起こしたのか、頭の中を覗いてみたくなりました。
ヘスターとトムの関係が物語が進むにつれ少しずつ変わっていくのを見るのも楽しみでついついページを捲る手が早くなってしまいました。
みんな生き残るために必死で誰が見方で誰が敵なのか、助けてくれたのは好意なのか利用するためなのか。自分だったら半信半疑になって人間不信になり最後は誰とも関係を持たず孤独死して人生を終えるだろうなと思います。
はい、今の私ですね。人間不信ではありませんけど。
もっと早くに読んでいればこのファンタジーとはまた違う冒険により近い気持ちで物語を楽しめたのかなと思います。高校生のうちに読んでおきたかったです。
それで冒険しようと思っても私がやることはせいぜい近所の散歩くらいで
規模が小さすぎて悲しくなります。
この小説は続編がまだまだあるみたいなので読もうと思います!
その時はまた感想を書こうと思います!それではまた!